新年のご挨拶と遺言書の撤回・変更について

2021年01月08日
 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

行政書士の中村です。コロナウイルスの勢いがすさまじいですね。

ついに二度目の緊急事態宣言が出されました。飲食店は20時までの営業、カラオケ・パチンコ・ゲームセンター等も20時までの営業だそうです。

さらに不要不急の外出は控えるようにとのこと。今日は早朝から冷えて気分までも暗くなってしまいます。

しかし、冬来たりなば春遠からじ、とか明けない夜はない、などの言葉で自分を励ましながら、ブログを書き続けて行きます。

遺言書の撤回・変更

さて今日は、遺言書の撤回・変更は出来るか?ということについてお話させて頂きます。

この答はイエスなのですが、詳しく説明させていただきます。

これまで遺言書を書くことをおすすめしてきましたが、一度書いた遺言書が無効になったり、また内容を取り消したり(撤回)、変更することは出来るのか、という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

遺言書については民法の相続法の規定が主に適用され、総則(民法の中での「一般論」に当たる部分です)の規定はあまり適用されませんが、遺言書には二つの総則規定が適用されます。

  • 遺言書が意思無能力者によって書かれたときは、それは無効です(民法3条の二)。
  • 遺言書の内容が公の秩序又は善良の風俗に反する場合はその遺言書は無効です(民法90条)。

総則規定による無効はこの二つだけですが、相続法による無効は三つ挙げられています。

  • 遺言者に遺言能力が欠如している場合(961条、963条)。
  • 遺言が法定の方式に違反している場合(例えば、自筆証書遺言を他人に書いてもらった場合)(960条、967条以下)。
  • 後見人側に利益となる被後見人の遺言(966条1項)。

遺言の撤回について

遺言者は、生存中は、いつでも、何度でも遺言を撤回することができる(民法1022条)。さらに「遺言を撤回する権利は放棄できない」(民法1026条)と定めています。

遺言撤回の自由は強く保障されています。また「何度でも撤回出来る」ということは「何度でも変更できる」ということです。

自筆証書遺言と秘密証書遺言を撤回するのは遺言者の意思で自由にできます。

遺言書を遺言者が破棄すれば撤回になります。

自筆証書遺言で遺言書保管法によって法務局に保管している場合でも、保管証を提示して返却してもらってから破棄すれば撤回したことになります。

公正証書遺言は公証人が作成し、公証役場に保管されていますので、破棄しても撤回にはなりませんが、新しい遺言書を作成して公証人に提出すれば撤回したことになります。

遺言書は新しいものが真正な遺言書とされています。また公正証書遺言でも自筆証書遺言や秘密証書遺言で撤回することは可能です(民法1023条1項)。

撤回擬制について

遺言者が撤回の意思表示を明らかにした場合以外でも、遺言が撤回されたものとみなされる場合があります。これを撤回擬制といいます。

  • 前の遺言と後の遺言が抵触する場合は、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなします(民法1023条1項)。
  • 遺言の内容と、その後の遺言者による生前処分が抵触する場合は、生前処分によって遺言の内容が撤回されたものとみなします(同条2項)。
  • 遺言者が故意に遺言書または遺贈の目的物を破棄した場合は、遺言が撤回されたものとみなします(民法1024条)。

これら3項目のいずれも遺言者の撤回・変更の意思が伺えます。

民法は遺言については作成、撤回・変更のいずれの場合も遺言者の意思を重視尊重しています。


私共行政書士も遺言書の作成に関与するときは、このことを念頭に置いて業務に努める所存です。

では本日はこれまでとします。

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