遺言・相続についてよく見られる多くの誤解

2020年12月02日
 

こんにちは。行政書士の中村です。日に日に寒さが募り、コロナウイルスも脅威を増してきたようです。でも私は精一杯踏ん張っています。

今日は、少し趣向を変えて、遺言・相続についてよく見られる多くの誤解についてお話ししたいと思います。なづけて「よくある誤解」です。

1「よくある誤解」の具体例と正しい理解

(1)内縁関係でも長期間継続すれば遺産相続権が夫婦双方に発生する。

内縁関係ではいくら長期間継続しても遺産相続権は発生しません。婚姻届を役所に提出したのち法定の夫婦と認められます。(法律婚主義)。

(2)子供のいる女性と結婚した男性がその後死亡した場合、その女性の子供(連れ子)にも遺産相続権がある。

この場合、結婚しただけでは男性とその子供には法律上の親子関係は生じません。その子を男性の養子にする必要があります。そうすれば法律上の親子関係が発生し、その子供は男性の遺産相続権を持ちます。

(3)養子に行った子は、養父母の遺産相続権はあるが、実父母の遺産相続権はない。

養子に行った子も実父母の遺産相続権を持つています。ただし、特別養子の場合は実父母の相続権はありません。

(4)子供のいない夫婦の一方が亡くなった場合、遺産はすべて配偶者が相続する。

この場合は二つに分けられます。

① 亡くなった人に直系尊属がいるときは、遺産の三分の一は直系尊属が相続し、配偶者は三分の二を相続します。

② 亡くなった人に直系尊属はいないが、兄弟姉妹がいるときは、相続分は兄弟姉妹が四分の一、配偶者が四分の三を相続します。

(5)被相続人には配偶者と三人の子がいたが、もし子の一人が被相続人よりも先に亡くなっていた場合、相続分は配偶者が二分の一、二人の子が各々四分の一ずつ相続する。

亡くなった相続人に子や孫(直系卑属)がいなければ上記の通りですが、いる場合は直系卑属が相続します(代襲相続)。したがって、相続分は三人の子がいた場合と同じく、各々六分の一になります。

(6)被相続人死亡後、二〇年経過すると遺産はすべて同居人の所有になる。

遺産相続に時効はありません。時効取得の場合と混同しないように。

(7)相続人が相続放棄をしても相続人の子には相続権がある。

相続放棄をした場合には相続権は消滅しますから、相続人の子にも相続権はありません。

(8)親不孝をしても相続権はある。

親不孝の種類や性質によります。民法は以下の場合は相続権を失うと定めています(民法891条)。大まかに説明します。

  1. 親を殺した者、殺そうとして刑罰を受けた者。
  2. 親が殺された事を知って、告発・告訴しなかった者。
  3. 詐欺または強迫によって遺言の作成・変更・撤回等を妨げた者。
  4. 遺言書を偽造・変造、破棄・隠匿した者。

(9)遺言者の死亡後に、相続人だけで遺言執行者を決めることが出来る。

遺言書に遺言執行者が定めてなければ、相続人はその選任を家庭裁判所に申し立てなければなりません。相続人だけでは決められません。

 (10) 公正証書遺言ならば、公証役場が遺言執行もやってくれる。

公証役場は遺言書を公正証書として作成し、保管してくれるところです。遺言執行まではやってくれません。


いかがでしたか? 誤解はまだまだたくさんあります。折に触れて正しい情報をお伝えします。

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