行政書士が相続手続きでお力になれること、なれないこと

 

相続手続きについて相談できる専門家を探していると、行政書士の他にも弁護士、司法書士、税理士など様々な専門家が見つかりますが、どの専門家に相談していいのかわからない、どう選んでいいのかわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、行政書士が相続手続きでお力になれることとなれないことについて説明し、どのように専門家を選ぶのが良いのかを紹介します。

相続手続きでの各専門家の役割

相続手続きに関わる主な専門家は、行政書士のほか、弁護士、司法書士、税理士ですが、各専門家の役割がどう違うのか、なかなかわかりにくい部分もありますので、この点について説明します。

説明の前提として相続手続きの具体的内容を挙げておきます。

  1. 法律相談
  2. 遺言書作成
  3. 遺言執行
  4. 死後委任事務
  5. 遺産分割協議及び協議書作成
  6. 相続訴訟
  7. 相続登記
  8. 相続税対策、申告

大体これだけのものが挙げられます。

弁護士

弁護士は相続業務の多くに携わることが出来ます。

  • 法律相談
  • 遺言書作成
  • 遺言執行
  • 死後委任事務
  • 遺産分割協議及び協議書作成
  • 相続登記
  • 相続訴訟

の業務に携わることが出来ます。

特に相続訴訟は、弁護士だけが携わることができる業務です。一番の強みと言えるでしょう。

なお相続登記については、法律上は弁護士も行うことができますが、登記業務に精通している弁護士は少なく、現実的には司法書士に依頼することが一般的です。

また、相続税対策といった税務は税理士の業務なので、弁護士が携わる場合には一定の条件をクリアしなければなりませんので、税理士に依頼することが一般的です(弁護士は税理士登録をすることができますので、税理士登録をしている弁護士であれば相続税対策も行うことができます)。

司法書士

司法書士は

  • 遺言書作成
  • 遺言執行
  • 死後委任事務
  • 遺産分割協議書成
  • 相続登記

です。

登記(不動産登記・商業登記)は司法書士だけが携わることの出来る業務です。

相続によって不動産所有権の変動があり、不動産所有権者の名義に変更があった場合、相続による所有権移転登記はこれまでは義務ではなかったのですが、2021年4月に2024年までに義務化する法律が成立しました。紛争防止を目的とするものです。

税理士

税理士は

  • 死後委任事務
  • 相続税対策、申告

の業務に携わることが出来ます。

特に相続税対策および申告は税理士にしかできない業務です。23区内は相続税の計算はかなり複雑なようです。

なお、税理士は行政書士登録をすることができるので、行政書士登録をしていれば、遺言書作成、遺産分割協議書作成をすることができます。

行政書士

行政書士は、

  • 遺言書作成
  • 遺言執行
  • 死後委任事務
  • 遺産分割協議書作成

の業務に携わることが出来ます。法律上行政書士が携わることの出来る業務はこの四つの業務になります。

行政書士がお力になれないこと

各専門家の役割は前述のとおりですが、これは法律で定められた役割分担で、「この専門家しかやってはいけない」と決められたものがあります。

そのため、以下のものについては行政書士が直接お力になることはできません。

法律相談

「法律相談」は弁護士以外がすることができません。

行政書士は、相続全般に関する一般的な法律や制度の説明をすることができますが、例えばどのような内容の遺産分割協議書にするか等の個別的具体的な相談については、行政書士は出来ません。

交渉

弁護士は依頼人の代理人として交渉つまり他の相続人と話し合い(遺産分割協議)を行うことはできますが、行政書士はこのような交渉を行うことは出来ません。

しかし、交渉がまとまった後の書類作成(遺産分割協議書作成)の業務に携わることはできます。

訴訟

訴訟は弁護士にしかできません(民訴法54条)。

登記

登記(不動産登記・商業登記)は弁護士および司法書士にしかできません。

相続税対策

遺産相続税の計算等は税理士にしかできません。

行政書士に相続手続きを依頼するメリットについて

ここまで読んでくださった方の中にはお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は行政書士に「しか」できない手続きというのはありません。

では行政書士に相続手続きを依頼するメリットとは何でしょうか。

まず第一に相談しやすいこと、何度でも嫌がらずに話を聞いてくれること。

二番目に相続に関して法律知識や経験が豊富であること。

最後に行政書士に限りませんが、やはり専門家としてまた人間的にも信頼できる人であること、ではないでしょうか。

専門家の選び方

それでは最後に、相続手続きのお悩みを相談する専門家をどう選べばいいのかについてお話しします。

専門家を選ぶには、あたりまえのことですが、ご自分がいま悩んでいる困っている問題を基準とすべきでしょう。

例えば、遺言書の書き方が分からない方は、弁護士、司法書士、税理士、そして行政書士のどの専門家にも依頼することはできます。

しかし、上記四つの専門家がすべて遺言・相続を専門にしているとは限りません。

ここはやはり遺言・相続を専門に取り組んでいるところに依頼すべきでしょう。

専門家に依頼することはご自分の悩みや困りごとの解決策を知り、その結果として不安を解消することです。

同じことは、遺産分割協議、相続登記、相続税についても言えることです。

遺産分割協議は相続専門の弁護士、相続登記は相続専門の司法書士、相続税対策は相続専門の税理士に、それぞれに依頼するのが安心を得られる結果となります。

まとめ

今回は行政書士の仕事を積極的に展開する内容ではありません。

これは法律的には正直な内容です。

しかし、行政書士が出来ないこと、例えば遺産分割協議、訴訟、相続登記、相続税対策等は、各々、弁護士、司法書士、税理士等と連携を組んでお悩みの問題を解決し、安心していただくことは可能です。

私共ASB行政書士事務所はこれらの専門家とネットワークを作っています。どうぞお気軽にご相談下さい。

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