法定相続と代襲相続についてわかりやすく解説

2020年12月19日
 

こんにちは。ASB行政書士事務所の行政書士中村です。めっきり寒くなって来ましたね。12月も半ばですから当然といえば当然ですね。

今日は相続方式である法定相続と代襲相続についてお話しします。

法定相続

法定相続とは、法律で定められた法定相続人の遺産相続分を言います。

これは民法900条に定められていますが、分かりにくい規定ですので、具体例を挙げながら、分かりやすく説明します。

夫婦の片方が亡くなり、相続人が配偶者と子の場合

この場合は遺産の半分を故人の配偶者が相続し、残りの半分を子が相続します。子が複数いるときは、半分の相続分を頭数で均等に相続します。

もし子の一人が故人よりも先に亡くなっていた場合、その相続関係はどうなるでしょうか?

この場合は、先に亡くなった子に子(直系卑属、つまり故人の孫)がいないときは、他の生存中の子が亡くなった子の相続分を相続します。

しかし、亡くなった子に子(直系卑属)がいるときはその子(孫)が相続します。

これを代襲相続といいます(民法887条2項)。

さらに孫も故人より先に亡くなっていた場合は、孫の子(ひ孫)が相続します(再代襲相続・民法同条3項)。

代襲相続については後述します。

子のいない夫婦の片方が亡くなった場合

この場合は二つの具体例が挙げられます。

相続人が配偶者と故人の直系尊属(両親または祖父母)の場合

この場合は直系尊属が遺産の三分の一を相続し、配偶者は三分の二を相続します。

相続人が配偶者と故人の兄弟姉妹の場合

この場合は兄弟姉妹が遺産の四分の一を相続し、配偶者は四分の三を相続します。

兄弟姉妹が故人よりも先に亡くなっているときは、兄弟姉妹の子が遺産を相続します(代襲相続)。

しかし、兄弟姉妹の子が故人よりも先に亡くなっていても、兄弟姉妹の孫は相続権を持ちません。

民法は兄弟姉妹の場合は再代襲相続は認めていません

代襲相続

民法は上述のように「代襲相続」という制度を認めています。

これがみとめられる原因として民法は相続人の「死亡・欠格・廃除」の三つを挙げていますが、その趣旨は各々異なっています。

「死亡」の場合は、血縁を重視する見地から家族の生活保障という趣旨が伺われます。

しかし、「欠格(相続資格喪失)」の場合は、「死亡」とは大きく異なります。

その趣旨は、相続制度の基盤を破壊する行為をした者に対しては、家族関係においてあるべき適正な秩序を維持するとの公益的な見地から、被相続人の意思如何に関わらず、法律上当然に相続資格を剥奪し、相続権を失わしめることにあります。

さて、ここで「被相続人」という聞き慣れない用語が出てきましたが、これは「遺産を相続される人」ということなので、相続において遺産を遺した人、つまり亡くなった方のことを指します。

民法は以下の場合に「欠格」を定めています(民法887条)。

少し細かい内容ですが、最後までお読み下さい。

相続人の資格を失う者(相続欠格)

  1. 親や先順位・同順位の相続人を殺し、または殺そうとして刑罰に処せられた者。
  2. 親が殺されたことを知りながら、告訴・告発をしなかった者。
  3. 詐欺または強迫によって被相続人の遺言を妨げ、あるいは、遺言の撤回・取り消し・変更を妨害した者。
  4. 詐欺または強迫によって被相続人に遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、または変更させた者。
  5. 被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者。

上記1~5のどれかに該当する者は相続権を喪失し、その直系卑属(子や孫)が相続権を持ちます。

廃除による相続権の喪失

廃除とは、被相続人に対して虐待・重大な侮辱、その他著しい非行があった場合に、被相続人が裁判所にその相続人の相続資格喪失を請求できる制度をいいます(民法892条)。

廃除は被相続人の意思を尊重した制度ですから、被相続人は、いつでも廃除の取り消しを裁判所に請求することが出来ます(民法894条)。

廃除は遺言書ですることも出来ますが、相続人死亡後、遺言執行者は遅滞なくその相続人の廃除を裁判所に請求しなければなりません(民法893条)。

(推定)相続人が相続権を失い、その結果、代襲相続が認められる場合は相続人の「死亡・欠格・廃除」に限定されています。

かつて相続放棄の場合も代襲相続を認めるべきだと裁判所で争った人がいましたが、裁判所はその主張を認めませんでした。

では、今日はこれまでです。寒さが募ってきます。ご自愛ください。

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